イタリアのすすめ

イタリアについてのあれこれを書き綴ったブログです。時々本業のクラシック音楽についても語ります。どうぞよろしくお願いいたします。

クラシックの音楽家と料理にまつわる楽しい本【おすすめ2冊】あなたのお気に入りは?

 

「美食家で有名だったクラシック音楽の作曲家は誰?」

と聞かれると、

セヴィリャの理髪師」や「ウイリアムテル」でお馴染みのイタリア人作曲家「ロッシーニ」を思い浮かべる方が多いと思いますが…

 

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Gioacchino Rossini (1792-868)

 

 ロッシーニセヴィリャの理髪師」序曲

  

 

 

先日、とある作品について調べものをしていたときに偶然見つけた、クラシック音楽の偉大な作曲家たちの食卓にまつわる楽しい本を【2冊】ご紹介いたします。

 

作曲家たちの好きだったお料理やお菓子を知ることができるだけでなく、彼らが旅した足跡や生涯などについても書かれていてとても興味深い本です。

 

音楽を聴くのも、おいしいものを食べるのも、どちらも大好きという方におすすめの本です!

よろしければ、参考になさってくださいませ。

 

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Mozart

 

 

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【1冊目】「音楽家の食卓」野田 浩資 著

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出版社:誠文堂新光社
発売日:‏ 2020/1/10
単行本:255ページ

 

この本は、以前下記の記事👇の中でも詳しくご紹介しましたので、

ここではサクっとご紹介いたします。

miketta-violinista.hatenablog.com

 

■ 本の内容

下記の11人のクラシック音楽の作曲家の略歴や、彼らが好んだお料理について書かれた本です。

 

それぞれの作曲家にちなんだお料理のレシピが付いています。

 

■ 読んでみた感想

個人的には、「クラシック音楽」も「おいしいものを食べること」も大好きですので、とても興味深く読めました。

 

作曲家に思いを馳せながら、好きな作曲家の好物だったお料理をあれこれ作ってみるのも楽しいですね。

 

巻末に、音楽家ゆかりの街にある「レストランやカフェのガイド」もついていますので、旅行で訪れたときに立ち寄ってみるのも楽しいですね!

 

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バイロイト祝祭劇場

 

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ベートーヴェンの住んでいた家

 

 

Amazon商品紹介ページより引用させていただきました

著者について


■野田 浩資(ノダ ヒロシ)
1947年東京都品川生まれ。

73年、六本木のチェコスロバキア料理の『キャッスルプラハ』に勤務。
その後ドイツへ渡り、シュタイゲンベルガー・ホテル『フランクフルターホフ』『シュタイゲンベルガー・パークホテル』にて修業。
その後、ベルギー、モナコ、スイスと各国を渡り修業。

帰国後、レストランを開業した後、赤坂のOAGハウス・ドイツ文化会館に『OAGクラブレストラン・クライゼル』出店を経て、『ツム・アインホルン』を開店。


日本でもっともドイツの味を感じさせてくれるドイツ料理シェフとして知られている。


著書に『野田シェフのドイツ料理』『新・ドイツの森の料理人』『ビールの国の贈り物』『ワイン街道 美食の旅』『ドイツ修道院のハーブ料理』。趣味は、クラシック音楽鑑賞

 

 

商品の説明

ドイツ・ヨーロッパの文化と料理の知識、クラシック音楽への造詣が深い著者が、中世ドイツ語圏の音楽家の旅した足跡をたどり、各地の郷土料理などを取り上げ、音楽家ゆかりの料理とエピソードを紹介します。

子供時代、毎日の食生活も満足でなかったベートーヴェン、生まれた時から裕福であったメンデルスゾーン、6歳からイタリアを始めドイツ、フランスなどあちこちを旅し、自分の音楽活動の場所を求めたモーツァルトなど、それぞれの音楽家の人生とともにあった旅と食をつづります。

楽家の人生を辿る読み物として、ヨーロッパの料理や食材のルーツを探る食の本として、現地の写真も多数挿入し、旅のガイドとしても楽しめる一冊です。

 

 

 気になった方は、こちらをチェックしてみてくださいね 👇 

 

 

 

【2冊目】「宮廷楽長サリエーリのお菓子な食卓」 遠藤 雅司 著

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出版社:春秋社
発売日:2019/11/29
単行本(ソフトカバー):224ページ

 

■ 本の内容

イタリア出身の作曲家であり指揮者、教育者だったサリエーリは、北イタリアヴェローナの近くの街レニャーゴで生まれ。

のちにウイーンで勉強し、ハプスブルク家の宮廷楽長となりました。

 

この本には、サリエーリの生涯、作品とその時代の背景や歴史がわかりやすく書かれています。

 

サリエーリのオペラの中に出てくるお菓子やお料理のレシピも多数掲載されているところもユニークですね。

 

サリエーリの弟子だった、ベートーヴェンや、シューベルトとのエピソードも書かれていてとても興味深いです。

 

ベートーヴェンが、サリエーリにヴァイオリンとピアノのためのソナタを3曲も献呈しているお話も出てきます。

 

 

ちなみにサリエーリは、素敵な作品をたくさん作曲していました。👇

 

本の中にも出てくる、皇帝ヨーゼフ2世からの依頼により書かれた、

市場を通る買い物客たちに、店の売り子たちが陽気に声をかけている場面から始まるオペラです。

市場には、商人たちの屋台が多数出ていて、帽子や織物、金属細工、お菓子、果物、そしてカツラまで?!多種多様な物が売られてたようです。

 


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1799年頃に書かれた作品、原作は、シェイクスピアの「ファルスタッフ」です。

この題材で、のちにヴェルディもオペラを作曲していますね。

 


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ちょうどこのオペラが初演されていたころ、ベートーヴェンは、3曲のヴァイオリンとピアノのためのソナタ(作品12)👇を師匠のサリエーリに献呈しています。

 

 

 

 

 

 

 

ベートーヴェンは、続いてサリエーリの「ファルスタッフ」の主題をモチーフにした変奏曲も作曲しています。 👇

 


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下記の声楽曲は、サリエーリが散歩の途中に?!さまざまな二重唱、三重唱を書いていたと言われている「音の戯れ」の中の1曲です。(*'▽')

 

  • カノン「声楽のための冗談音楽集」


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シューベルトとのエピソードも書かれていて興味深いです。

 

1808年当時11歳だったシューベルトは、宮廷礼拝堂聖歌隊員の試験を受けました。

その時、サリエーリが試験官のひとりでした。

 

10人の聖歌隊の団員を指導していたサリエーリは、シューベルトの才能にいち早く気づき、とても可愛がっていたようです。

 

毎週特別に自宅でレッスンをした後、少年シューベルトにレモネードの屋台のアイスクリームをごちそうしたりしていたそうです。

なんとも微笑ましい師弟関係だったことが伺えるエピソードですね!

 

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当時のレモネードの屋台も、

こんな風に売りに来たのかしらん?(*'▽')

(イメージ)

 

宮廷聖歌隊時代の頃、シューベルトは師匠サリエーリにこんな可愛らしい素敵な作品を書いています。

 

手稿楽譜の末尾に書かれたメモ 👇

フォルテピアノのための10の変奏曲

フランソワ・シューベルト

ウイーン王室第一宮廷楽長サリエーリ氏の生徒

1815年2月15日

(「宮廷楽長サリエーリのお菓子な食卓」P181より、引用させて頂きました)

 

 


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といった感じの、たくさんの知られざるエピソードが書かれている素敵な本でした。

 

 

目次は、以下の通りです。


【目次】

はじめに

レシピ集

 

第1章〜1760年〜レニャーゴの食卓
あるいはサリエーリ事件簿その1「クローゼットの中の砂糖」

 

第2章〜1768年〜《危ない夜》の食卓
あるいはサリエーリ事件簿その2「黒い犬に気をつけろ」

 

第3章〜1772年〜《ヴェネツィアの市》とお菓子
あるいはモーツァルトからサリエーリへの返答

コラム ヴェネツィアアマデウスモーツァルトの食卓1〜

 

第4章〜1784年〜《ダナオスの娘たち》の祝宴
あるいはマリー・アントワネットとサリエーリの練習三昧

コラム「パンがなければ…」 〜マリー・アントワネットとパン〜

 

第5章〜1788年〜激務のあとの癒やしのスープ
あるいは家族との幸せな思い出とリウマチ回復祈願

コラム 酒と煙草とコーヒーと 〜ロレンツォ・ダ・ポンテの食卓〜

 

第6章〜1790年〜《コジ・ファン・トゥッテ》のドリンク
あるいはヨーゼフ2世、サリエーリ、モーツァルト及びダ・ポンテの四角関係

コラム ホットチョコレートの思い出 〜モーツァルトの食卓2〜

 

第7章〜1799 年〜《ファルスタッフ》の食卓
あるいはベートーヴェンからサリエーリへの返答

コラム 音楽の名人、台所を支配する? 〜料理人ベートーヴェンのフルコース〜

 

第8章〜1810年カフェ・ラテとヨーロッパ情勢
あるいはサリエーリ事件簿その3「ウィーンからコーヒーが消えた日」

 

第9章〜1812年〜アイスクリーム食べある記
あるいは教え子シューベルトとの楽しきレッスン

 

第10章〜1816年〜サリエーリウィーン生活50年祝い
会議の終わりにお菓子を添えて

 

ボーナストラック 〜1984年〜虚構の食卓
あるいは並行世界の宮廷生活「アマデウス」の色彩

 

おわりに

Recipeレシピ集
パン・トラヴェルソ(茶色い全粒粉パン)
パナダ(ヴェネツィア風パンのスープ)
カパウン(ローストチキン)
パステーテ(スズキのパイ包み焼き)
パスティッチョ(甘いマカロニパイ)
ザエーティ(コーンミールビスケット)
ブッソライ(ヴェネツィア風伝統ビスケット)
イチゴのシャーベット
古代エジプトの宴
フランス風ズッペ(健康ズッペ)
イタリア風ライスズッペ(チーズリゾット)
オーストリア風団子ズッペ(グリースノッケルンズッペ)
チョッコラッテ(ホットチョコレートドリンク)
ヒポクラテスの袖(スパイス入りワイン)
鹿肉のパイ
カフェ・コル・ラテ(ミルク入りコーヒー)
レモンアイスクリーム
ザッハじゃないトルテ
シュプリッツクラプフェン(絞り出しドーナツ)
カペッツォーリ・ディ・ヴェーネレ (ヴィーナスの乳首)

Amazon商品紹介ページより引用させていただきました)

 

美味しそうなレシピが目白押しですね!(*'▽')

 

 

■ 読んでみた感想

サリエーリの意外な?一面やエピソード満載で、とても興味深い本です。

読み物としてもとても興味深くてわかりやすく書かれていて、お気に入りの1冊となりました。

 

こちらの本も、1冊目にご紹介した本と同様「レシピ付き」ですので、当時に想いを馳せながら、様々なお料理を作ってみたくなりますね。

 

私も実際に、「ザエーティ」と呼ばれて現在も親しまれている、北イタリア・ヴェネト州コーンミール入りクッキー作りに挑戦してみました!

 

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ちょっと焦げてしまいましたが、とても美味しかったです♪

 

 

 

Amazon商品紹介ページより引用させていただきました)

■ 著者について

遠藤雅司

歴史料理研究家。世界各国の歴史料理を再現するプロジェクト「音食紀行」主宰。著書に『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』(柏書房)、『英雄たちの食卓』(宝島社)。

 

■ 商品紹介

NHK Eテレ 2020年11月27日放送回、著者出演で話題!

オペラは、美味しい!

パン・スープ・焼き菓子・チョコレート・コーヒー・アイスクリーム……
知られざる食の歴史を読み解く歴史を味わうレシピ20品収録

 

モーツァルトベートーヴェンの時代、ウィーンの宮廷楽長に君臨したアントニオ・サリエーリ(1750-1825)。

ヴェネツィア共和国のレニャーゴで生まれ、オペラ作曲家としてウィーンとパリで活躍。フランス革命~ナポレオン戦争という激動の時代を経験しつつも、シューベルトなど多くの後進を育てました。のちに「モーツァルトを毒殺した男」の烙印を押されてしまいますが、実際は心優しく、家族思いの人物で、甘いものに目がないという知られざる一面も。

そんなサリエーリを案内人に、当時の食文化、さらには彼の生涯を彩ったオペラの世界から、舞台となった古代~中世の食を読み解きます。
総合芸術オペラの世界に花開いた音と食のコラボレーションを目と舌で楽しむ異色の人物伝+文化誌。

18~19世紀のヴェネツィア、パリ、ウィーンの料理やお菓子やドリンクを現代日本の食卓で再現!

サリエーリのオペラにまつわる古代エジプトの料理やシェイクスピアの16世紀イングランド料理にマリー・アントワネットも食べた(?)デザート、そして映画『アマデウス』のあのスイーツも!

 

 

 気になった方は、こちらをチェックしてみてくださいね 👇

 

 

 

 さいごに 

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かつてサリエーリに師事していたこともある

ベートーヴェン

音楽を「聴いて」楽しむのはもちろん「味覚」も楽しめる、まさに「五感で音楽を楽しむ本」をご紹介いたしましたが、いかかでしたか?

 

偉大なクラシックの作曲家たちの「生涯」や「旅の足跡」「好きだったお料理」など様々なことを知ると、今までよりも作曲家たちが身近な存在?に感じられるようになりますよね?

 

彼らが生きた時代の歴史がわかると、作品を聴いたり演奏したりするときにも、さらに理解が深まります ♪

 

音楽の専門書など何冊か読みながら、合間にちょっと息抜き?のつもりで読んでみるのも楽しいのではないでしょうか。

 

この本を読んでいると、たくさん美味しそうなお料理やお菓子が次々と出て来て、レモンのアイスクリームも食べたくなってしまいました!(^^;)

 

シューベルトがサリエーリ先生から、ご馳走になった当時のレモネード屋さんと同じではありませんが…

【レモンのジェラート(シャーベット)の作り方】

 

こちらからご覧になれます👇 よろしければ参考になさってくださいませ。

miketta-violinista.hatenablog.com

 

 

 

 

それでは、楽しい読書タイム、そして素敵な音楽を!

Buona lettura e buon ascolto!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

今回ご紹介した本は、こちらからもご覧になれます 👇

 

【1冊目】野田 浩資 著「音楽家の食卓」

 

 

 

 

【2冊目】遠藤 雅司 著「宮廷楽長サリエーリのお菓子な食卓」 

 

 

  

 

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