旅にまつわる楽しいエッセイ【お気に入り5冊】
旅にまつわるエッセイの中から、個人的にとても面白いと思った、お気に入りの本【5冊】をご紹介いたします。
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前野ウルド浩太郎著「バッタを倒しにアフリカへ」
幼少の頃「ファーブル昆虫記」を読んでファーブルにあこがれ、昆虫学者になった著者が、アフリカのモーリタニアで、農作物を食い荒らすサバクトビバッタを退治すべくアフリカへ向かい、現地での奮闘の日々を綴ったエッセイです。
「挑戦しよう」「夢を諦めずに頑張ろう」という気持ちを奮い立たせてくれる本。
所々に載せてある写真(カラー)のおかげで、一緒にバッタ研究チームに加わっているかのようで、ワクワクして楽しいです。
お人好しのババ所長のやさしい言葉に何度もホロリとさせられます!
人間味丸出し?!の、なんとも憎めない他のメンバーも魅力的です。
中でも好きな箇所が、
著者が落ち込んでいた時に、ババ所長がスライドを見せながら話してくれる場面。
P.126から引用
「いいかコータロー。つらいときは自分より恵まれている人を見るな。みじめな思いをするだけだ。つらいときこそ自分よりも恵まれない人を見て、自分がいかに恵まれているかに感謝するんだ。嫉妬は人を狂わす。
そう言って見せてくれたスライドがこちら。
「ナイキの代わりにアディダスだと?」
「選択の余地なくペットボトル」
習慣の違いから、カルチャーショックを受けつつも、ポジティブに切り抜ける技?を身につけていく著者の姿が清々しい、抱腹絶倒の元気が出るエッセイです。
妹尾河童著「河童が覗いたヨーロッパ」
舞台美術家の著者が、1年間に22か国旅をして綴った、著者のイラスト入りの楽しいエッセイです。
ちょっと古い本ですので、値段などのデータは参考にできませんが、著者の泊まった多数のホテルが、鳥観図のイラストで説明されているところなど、とてもユニークで面白いです。
国際列車の車掌さんたちの、国ごとの制服や外見その他から、うかがい知れるお国柄の違いについてや、「イタリアとドイツのオペラが始まる時刻の違い」について、「ヨーロッパの地域による家の窓の違い」など、独特な視点で観察した興味深いエッセイです。
いいな、と思ったところを少しだけご紹介いたします。
P.46~47から引用
旅の秘訣は”得点法”
僕は日本語だけしかしゃべれない。
イタリア語にしろ、ドイツ語にしろ、とてもしゃべれるなどというシロモノではない。英語にしたところで同じこと、それなのに彼らと話し、通じ合ったということがなんとも不思議である。
ミュンヘンのレストランで日本の大学の先生とかいう人に会った。彼はドイツ語が読めるはずだったが、出てきたメニュー が乱暴な手書きだったためか、困っていたので、僕が通訳するという珍妙なことになってしまった。
彼は「あのウエイターはナマリがひどいからよくわからない…」としきりに弁解した。かなりの自己嫌悪に陥っていたらしい。
別に僕は得意になってこんなことをいうのではない。気がついたことは、少ししゃべれる人の方が通じないことにショックを受けたりイライラしたりするようだ。
(中略)
「私は日本語で全部通したわよ」と笑った女性がいたが、僕はその人の言葉を注釈付きで信じる。
(中略)
彼女が外国語をしゃべれないことに、コンプレックスを持たず、積極的なコミュニケーションの意思を持って”話した”ということであろう。
(中略)
「日本へきている外人をみてごらん。彼ら日本語がわからないのはアタリマエだと思っているだろう。カタコトの日本語を覚えたら積極的に使うし、理解できる言葉に出会ったり通じ合ったら大喜びするだろう。あれだよ。すべて得点法で旅をしてくることだ。」
こんなふうに、何事もポジティブに、減点法ではなくて”得点法”で考えると、旅だけでなく普段の生活も、楽しくなる気がしますよね!
阿川佐和子著「タタタタ旅の素」
「サワコの朝」の司会その他、「聞く力」などの著作でもお馴染みの、阿川佐和子さんのエッセイです。
雑誌「旅行読売」に連載されていた作品が、まとめられたものです。
アジア、ヨーロッパ、アメリカ、そして日本国内の旅での色々なエピソードから、子供の頃にお兄さんと夜行列車で広島の親せきの家に行った「大冒険」?!や、学生時代に、裸足で?!家出をしたお話など、抱腹絶倒のエッセイです。
椎名誠著「わしらは怪しい探検隊」
伊良湖の沖に浮かぶ、神島で、椎名隊長率いる10人の男たちの「冒険」と「宴会?」のキャンプ旅行のお話です。
蚊の大群に襲われたり、様々な難題?が降りかかりますが、メンバーみんなでドタバタしながらも果敢に切り抜けていく面白エッセイです。
村上春樹著「遠い太鼓」
1986年の秋から1989年の秋までの3年間(著者が37歳~40歳の時)、ギリシャとイタリアへの「長い旅」に出た際の日常が綴られたエッセイです。
南ヨーロッパでジョギングをしていたら、不審な目で見られたお話しや、イタリアの郵便事情、泥棒事情?!などのエピソードも書かれていて面白いです。
ローマを拠点として、
スペッツェス島
ミコノス島
その他、エーゲ海の島々
トスカーナ地方
など、たくさんの街でのさまざまな出来事が綴られた旅行記です。
「旅行エッセイ」は、著者と一緒に?ハラハラドキドキしながら、あちこち旅をしている気分になれておすすめです。
地図や写真などを見ながら読むと、さらに楽しめます。(*^▽^*)
興味のある方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。
それでは、楽しい読書タイムを!
Buona lettura!
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最後までお読みくださりありがとうございました。
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